About Project
プロジェクトについて
Our scenario
中央集権AI (CAI)と注意経済がこころの自由と民主主義を脅かしパーソナルデータ(PD)による価値創造を阻害していますが、生成AI等の技術をパーソナライズすることによってパーソナルAI (PAI)を実現し、PDを本人のPAIだけがフル活用する分散管理を普及させることによって、その問題を解決します。
すなわち、分散管理に基づくオープン市民科学によってPAIのアジャイルなガバナンスを実現するとともに人間の知的能力を高めることで、こころの自由と民主主義を守ると同時に産業や学術や文化を振興します。
Milestone
1.
2031年に達成を目指す
マイルストーン
オープン市民科学の初期の形態である分散データ基盤に基づくPAI (パーソナルAI)の分散ガバナンスを実現します。つまり、各検証者が多くの個人からPDを収集してPAIの挙動を検証し、複数の検証者が互いの検証結果をチェックしてトラストを醸成する体制を構築します。
2.
2027年に達成を目指す
マイルストーン
PD (パーソナルデータ)を他者に開示しない分散マッチングを社会実装します。つまり、教育、ヘルスケア、行政サービスなどで分散マッチングを実運用します。
3.
2024年に達成を目指す
マイルストーン
PDの分散管理を社会実装します。つまり、教育、ヘルスケア、行政サービスなどでPLRを実運用し、個人が複数のサービスから取得したPDを他者に開示せずに活用し、複数サービスの間でのPDの共有を本人が仲介できるようにします。
Open
citizen science
オープン市民科学について
オープン市民科学とは、PDの分散管理に基づく市民参加によって、(03)AI等を用いた価値の高いサービスが利用でき、(02)そうしたサービスを開発・改善し、(01)その開発・改善の仕組みを分権的(民主的)にガバナンスする仕組みです。
チェックアンドバランス※1
サービス監査・
設計者※2
サービス監査・
設計者※2
サービス監査・
設計者※2
データカタログ+分析結果
データメディエータ
データカタログ作成
データ収集代行
データ検証代行
データ分析代行
データ主体/PAI
PDの生成・
本人への集約※5
知識※4
知識
メディエータ※3
データ生成者/
サービス提供者
データ生成者/
サービス提供者
データ生成者/
サービス提供者
メタガバナンス
監査者や設計者の間でのピアレビューや熟議による分権的・民主的なガバナンス
※1 権威やトラストは天下りに与えられるのではなくボトムアップに醸成
※2 サービスによる介入とそのアウトカムのデータを多くの個人から収集し分析することにより、各サービスが利用者と社会にもたらすメリットとデメリットを検証
(AIを含む)サービスのガバナンス
サービスの検証と改善,商品やサービスの開発,人間や社会の研究,政策の立案と検証...etc
サービス
PDを本人に集約しフル活用することにより本人に介入
※3 知識を集約してPAIに提供
※4 LLMなど
※5 サービスによる介入のデータ(GDPR等では対象外)も対象とする拡張データポータビリティ
Actions
各研究開発項目の内容についてご覧頂けます。
研究開発項目1
パーソナルデータ(PD)の分散管理
PDを本人に集約して管理運用する仕組みであるPLRおよびこれを組み込んだアプリの機能を改良・拡張して利便性とセキュリティを高めるとともに、利用者本人からのPDの継続的取得と(分散マッチングによる)本人向けサービスを担うパーソナルAI(PAI)を開発し、PDの分散管理に基づく個人向けサービスを社会実装します。平行して、分散管理の法的・社会的な妥当性と受容性の検証や開発したシステムの堅牢性、セキュリティ等の検証を進め、それに応じてこれらのシステムやサービスを修正・改善します。これに基づいて各個人に適した公共的サービス等をPAIが抽出する分散マッチングを2026年までに実運用します。さらにムーンショット目標9内外の他の研究開発プロジェクトにも分散管理を導入することにより、研究参加者の権利を守り利便性を高めるとともに研究プロジェクト間の連携を図ります。
研究開発項目2
人間研究のための分散データ基盤の構築
分散管理に基づいてPDの2次利用を促進する仕組みを構築し、実際にそれを用いて知的活動のエンパワメント等の研究を行なうことにより、この仕組みの有効性を検証します。行動データや文書データなど新たに生成されるPDを各データ主体に集約(個人に分散)して管理する方法、医療データなど既存の集中管理されたPDを分散管理に移行する方法を整備して運用します。また、それらのPDを分散管理に基づいて2次利用に供する持続可能で効率的な仕組みを構築します。この分散データ基盤を用いて人間に関する研究成果を出すことにより、この基盤の有効性を検証します。その一環として人間の知的活動をエンパワーする研究を行ない、その成果によって情報の真正性と多様性の向上に寄与します。
研究開発項目3
PAIと分散ガバナンス(2027年度~)
研究開発項目2で構築した分散データ基盤を用いてPAIの機能を高度化する研究開発を行なうとともに、複数の検証者の各々が多くの個人からPDを収集してPAIの挙動を検証し、それらの検証者が互いの検証結果をチェックしてトラストを醸成する民主的・分散的なガバナンスを実現します。